精神科看護師の役割を知りたい20代看護師 「精神科で働いてみたいけど、役割とか仕事内容のイメージが湧かない。精神科は過酷って聞くけど、実際はどうなんだろう…」
こんな疑問や不安を抱いていませんか?
本記事の内容です
本記事は役割や仕事内容だけでなく、精神科のリアルな現実にも触れています
精神科に少し興味がある方も、これからぜひ精神科で働いてみたいと思う看護師さんも、ぜひ楽しみ怖がりながら読んでみてくださいね
それではまず役割から見ていきましょう(`・ω・´)ゞ
1. 精神科看護師の5つ役割を具体例を交えて解説
まず精神科看護師の具体的な役割はこちらです。
- コミュニケーションによる心のケア
- 精神状態のアセスメント
- セルフケア援助
- 薬の管理・与薬
- 社会復帰支援
役割①:コミュニケーションによる心のケア
精神科看護師にとって、患者さんとのコミュニケーションは大切な役割ですね。
会話を通じて信頼関係を築くことができれば、患者さんの心の悩みは和らぎます
例えば、上司のパワハラで抑うつ状態になった患者を受け持ったら、相手のペースに合わせて話を聞きます。そうすることで患者さんは「悩みを相談できる人がいるんだ」と感じられ安心した気持ちを取り戻すことができます。
役割②:精神状態のアセスメント
精神科看護師は患者さんの精神状態を把握します。
具体的な方法として、患者さんの表情や仕草、言葉の選び方、目の動きを観察します。他にも心理検査をしたり、面会に来た家族から様子を聞くこともあります。
役割③:セルフケア援助
精神科看護師は食事、排泄、入浴といった日常生活の援助もします。
精神症状で食事を食べられなくなったり、身だしなみを整えられないときもあります。
例えば、抑うつ状態で入浴が困難な患者さんには、安全にお風呂に入れるように介助したりします。
役割④:薬の管理・与薬
薬の管理・与薬は非常に重要です。
精神科では薬物療法が主要な治療方法だからです。
患者さんと接しているとき薬の効果が出ているか、副作用は出ていないかを観察します。さらに精神科では薬を拒む患者さんもいるので、薬の必要性を説明して内服を促していきます。
役割⑤:社会復帰支援
退院後の社会復帰をサポートすることもあります。
これには職場復帰の支援や、家族とのコミュニケーションの取り方も含まれています。社会復帰支援は精神科医、薬剤師、精神保健福祉士と協力して行います。
ここまでのまとめ
精神科看護師の役割は5つですね。①コミュニケーションによる心のケア、②精神状態のアセスメント、③セルフケア援助、④薬の管理・与薬、⑤社会復帰支援。
ここまで見ると「今の自分にできるかな…」と心配に思うかもしれません。しかし最初から全部カンペキにできる人はいませんよね?
過去の私もそうでしたが、日々の仕事を積み重ねていくと、少しずつできるようになっていくので大丈夫ですよ。
2. 精神科看護師の日常【1日の仕事内容とスケジュール】
次は「仕事内容」と「1日のスケジュール」を見ていきましょう。
精神科看護師の具体的な仕事内容
- バイタル測定
- 採血
- セルフケアの援助
- 与薬
- カルテ記録
- コミュニケーション
- 身体管理
どれも説明はいらないかなと思いますが、1つだけ補足させてください。
精神科も身体管理します
実は精神科看護師も認知症や身体既往をもつ患者さんのケアをします。
例えば合併症で肺炎が起こった場合は、モニタリング、点滴、抗生剤投与をします。急変時は心肺蘇生法もします。
「精神科でも身体管理」とぜひ覚えておきましょう。
次は1日のスケジュールです。
精神科看護師の日勤スケジュール
8:00 | 申し送り |
8:30 | バイタル測定・ラウンド |
10:00 | 診察介助・検査誘導・入浴介助 |
11:30 | 昼食介助・配薬 |
12:00 | 休憩 |
13:00 | ミーティング |
14:00 | セルフケアの援助・コミュニケーション |
16:00 | 記録 |
16:30 | 申し送り |
17:00 | 退勤 |
精神科看護師の夜勤スケジュール
17:00 | 引き継ぎ・ラウンド |
18:00 | 夕食介助・配薬 |
19:00 | ラウンド |
21:00 | バイタルチェック・配薬 |
22:00 | 消灯・頓服対応 |
1:00 | ラウンド・交代で休憩 |
6:00 | バイタル測定 |
6:30 | 起床介助 |
7:00 | 朝食介助・配薬 |
8:00 | 退勤 |
「今の職場とほぼいっしょじゃん」と感じませんでしたか?
もちろん病院ごとでスケジュールは異なりますが、大まかなイメージはつかめたかと思います。
精神科でもそこまで特別な仕事やスケジュールはないので、安心してくださいね。
それでは次です…
3. 【体験談】精神科看護師の過酷な現実:暴力エピソード
13年精神科で働いてきて最も過酷だった体験談をお伝えします。
私は3年目のとき、1か月間入院しました。
その日は夜勤でした
午前4時、先輩から「さっき入院してきた患者さんが『喉が渇いた…』とナースコールがあったから一緒に来てほしい」と連絡
休憩もちょうど終わりだったので病棟へ戻り、先輩と2人で水を入れたコップを持っていきました
しかし病室のドアを開けた瞬間、部屋の奥から突然、患者さんが走り出してきました
患者は先輩を後ろへ突き飛ばして、私に襲いかかり殴りはじめる
私は両腕を上げて必死に顔と頭をガード。しかしそれが失敗して、脇腹に強烈な横蹴りを喰らいました
格闘技のKOのように床に倒れましたが、もちろん審判はいません
「本当に死ぬ…」
人生ではじめて実感した瞬間でした
しかし絶対絶命のなか、負傷していた先輩が何とか110番通報
これで事態は収束しました
先輩も私も一歩間違えたら、最悪の結果になってました…
さいわい先輩は大事に至らず、私も打撲だけで1か月の入院を経て、病棟へ復帰しました。
4. 精神科看護師として働くために必要な3つの心構え
最後に精神科看護師になる前に持っておくべき心構えを3つご紹介します。
- 予測できないことも起こる
- 何かあったらすぐ相談
- 自分自身も大事にする
心構え①:予測できないことも起こる
精神科は何が起きるかわからないので、そのつもりで心の準備をしておきましょう。
突然の暴力も起こりえます。
自分がいくらがんばっても、患者さんは100%コントロールできませんよね。その点を理解して、急な状況変化にも対応できるようにしておきましょう。
具体的には緊急時マニュアルを先輩に教えてもらい、実際にシミュレーションしてみる。こういう経験を積むことで、急な状況にも対応できるようになります。
心構え②:何かあったらすぐ相談する
困ったらすぐまわりに相談しましょうね。
一人で悩んでも解決できないことはいっぱいあります。早めに相談すれば、問題が大きくなるまえに対処できます。
例えば、患者さんや家族からクレームを受けた。仕事がうまくいかず悩んでいる。そういうときは頼りましょうね。
もちろん頼るのが苦手な人もいると思います。私もそういうタイプです。しかし全員じゃなくていいんですよ。
たった一人でも相談できる人がいれば、それで十分なんです。ぜひそういう人がいる職場で働きましょうね。
心構え③:自分自身も大事にする
仕事は大事だけど、自分自身の心と体もしっかりとケアする。
やっぱり自分が元気でないと患者さんにも良いケアはできないですよね。
仕事が終わったら好きなことをしましょう。無理を感じたら休む勇気も大切です。
仕事が忙しくて休めないと思うかもしれませんが、自分が壊れてしまったら何もできなくなりますよね。「休むから仕事ができるんだ」と自分に言ってあげましょう。
ということで心構えは3つ。①予測できないことも起こる、②何かあったらすぐ相談する、自分自身も大事にするでした。
次に進む一歩を踏み出しましょう
精神科看護師になる前の心構え、いかがでしたでしょうか?
精神科は過酷な場面もあるけど、やりがいも大きいです。
もし興味があるなら、次はどう進むか考えるタイミングかもしれません。
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