精神科看護を選んだ人の理由が知りたい…
今の職場、患者さんの急変が多くて気持ちがもう耐えられない。
人が死なない科で働いてみたい。でも精神科ってイメージがわかない。
ワタシみたいな理由で精神科に行く人っているのか…」
こういった疑問にお答えします。
本記事の内容
こんにちはオッシーと言います(ペコリ😌)
精神科看護師として13年働いていました。
一般科の病院から精神科へ転職した看護師の理由って気になりますよね?
実は「一般科 → 精神科」ってわりと多いんですよ。
本記事は一般科から転職していた先輩や後輩のエピソードを集めた経験談です。
共通してる理由があるかチェックしてみてくださいね。
あと、すいません、、、
この記事はいま一般科で働いてる3年目の看護師(過去の後輩)に向けて書きました。
看護学生さん、、、ごめんね🙇
1. 精神科看護を選んだ理由5つ【一般科から転職したナースの本音】
13年の精神科経験からまとめてみました。
一般科から転職して精神科看護を選んだ理由
- 残業が少なく定時で帰れそう
- 患者さんが死なない科だと思ったから
- 一般科よりゆっくりとマイペースに働ける
- 身体ケアよりコミュニケーション技術を磨きたい
- 身体と精神の両方ケアできる魅力的な看護師になりたい
「実際の精神科って、本当にこんな感じなのか?」
一つずつ解説していきますね。
理由①:残業が少なく定時で帰れそう
表にしてみました。
精神科の職場 | イメージどおり? | コメント |
---|---|---|
急性期病棟 | ✕ | 残業はザラ |
慢性期病棟 | ◯ | |
訪問看護 | △ | ノルマがあることも |
クリニック | ◯ | |
デイケア | ◯ |
◯の職場はイメージどおりで「残業が少なくほぼ定時で帰れます」
例えば、私の先輩は慢性期で働いていたとき、毎朝タイムカード切るときに「今日なにしよう…」と悩んでたと言ってました。
しかし急性期病棟は真逆なので注意してください。
例えば、退勤30分前に救急隊からのコールが鳴ったらもう残業確定です。
急変も多くて、大学の友だちとの飲み会をキャンセルしたこともありますw
「精神科訪問看護」は急変こそ少ないですが、1日の訪問件数(ノルマ)が決まってる職場もあるのでイメージと違うことがあります。
私の後輩は帰ってから家で看護記録を書いてました。
理由②:患者さんが死なない科だと思ったから
精神科の職場 | イメージどおり? | コメント |
---|---|---|
急性期病棟 | ✕ | 合併症や急変多い |
慢性期病棟 | △ | まれに急変あり |
訪問看護 | ◯ | |
クリニック | ◯ | |
デイケア | ◯ |
◯の職場はほぼイメージどおりです。
患者さんがその場で死亡することはめったにありません。
一方で急性期病棟は死亡が多いです。
私自身も、患者さんが自殺を完遂させてしまった経験は何度もあります。
肺炎や血栓が詰まって死亡することもあります。
「精神科 = 患者が死なない」は間違ったイメージです。
実際に私の後輩は消化器内科で2年間働いていましたが、毎週患者さんが死亡するのに耐えられず精神科(急性期病棟)に就職してきました。
しかし「精神科でも人が死ぬなんて知らなかった」と言って涙をボロボロこぼしてました…
理由③:一般科よりゆっくりとマイぺースに働ける
精神科の職場 | イメージどおり? | コメント |
---|---|---|
急性期病棟 | ✕ | 救急対応、症状悪化 |
慢性期病棟 | ◯ | |
訪問看護 | △ | ノルマがあることも |
クリニック | ◯ | |
デイケア | ◯ |
◯の職場はマイペースに働けます。
病状が安定してイレギュラーが少ないからですね。
一方で急性期病棟はイメージとまったく違います。
救急車が来たら、患者さんとの会話を中断しますし、その日のやることリストは後回しです。
急性期病棟のナースステーションはみんなの足音で本当に「バタバタ」と音がしますw
理由④:身体ケアよりコミュニケーション技術を磨きたい
精神科の職場 | イメージどおり? | コメント |
---|---|---|
急性期病棟 | △ | 身体ケア多い |
慢性期病棟 | ◯ | |
訪問看護 | ◯ | |
クリニック | ✕ | 深い話は医師 |
デイケア | ◯ |
これは私の失敗談です・・・
精神科のコミュニケーションスキルはトーク力じゃない!!
精神科のコミュニケーションは聞く!!
ちなみに過去の私は「心理テクニックを学んで心のケアをするぜーーー」っていうイタイ看護師でした。
(きっとあなたも精神科に行ったら一人くらい出会いますよw)
◯の職場なら、コミュニケーションスキル(聞く力)は磨けます。
一方で、急性期病棟は処置や身体介助をしてる時間の方が多いのでご注意ください。
クリニックでも予診で患者さんから話を聞きますが、深い対話は医師がします。
理由⑤:身体と精神の両方ケアできる魅力的な看護師になりたい
精神科の職場 | イメージどおり? | コメント |
急性期病棟 | ◯ | |
慢性期病棟 | ◯ | |
訪問看護 | ◯ | |
クリニック | ◯ | |
デイケア | ◯ |
これはどこの精神科でも経験が得られるので、イメージどおりだと思います。
私の先輩は一般科で身体ケアを習得して後に精神科を渡り歩いていた人でしたが、全身からオーラが出てました。
以上が精神科看護を選んだ理由とイメージと合ってるかどうかでした。
最後は深堀りです。
2. 精神科看護師になる前の注意すべき点3つ【あなたのキャリアの別れ道】
「これだけは気をつけて!!」という注意点を3つ厳選しました。
- 急性期と慢性期を間違えない
- 高度な身体ケアスキルは学べない
- 精神科でない看護師からの偏見は無くならない
注意点①:急性期と慢性期を間違えない
病棟看護師になりたい方は最重要です。
比較しました。
慢性期向き | 急性期向き |
---|---|
残業したくない | バリバリ働きたい |
マイペースに働きたい | 救急対応をしてみたい |
身体ケアはあまりしたくない | 身体ケアスキルも習得したい |
患者さんとゆっくり話したい | 最先端の精神科医療を学びたい |
レクやイベントを楽しみたい | 難しい精神症状の回復を見たい |
単調な毎日の方が好き | 退屈は嫌い |
特に「患者さんとゆっくり話がしたい」と思ってる人は、慢性期をオススメします。
もちろん急性期はダメじゃないんですが、急性期だと処置や身体介助に追われて「話す時間」が取れないこともザラです。
そして病状も悪く、そもそも会話ができないことも多いです。
もし迷ったら、慢性期と急性期の両方ある病院もあります。
2つの見分け方は、精神科の就職で失敗しない最重要ポイント1つ【看護師歴13年が解説】で解説してます。
注意点②:高度な身体ケアスキルは学べない
精神科でどこまでやるか、レベル分けしてみました。
レベル1 | 採血 点滴 導尿 バルーン留置 | ◯ |
レベル2 | フィジカルアセスメント 心電図読み取り 救命処置 | △ |
レベル3 | シリンジポンプ ドレーン管理 人工心肺 高カロリー輸液 | ✕ |
精神科でレベル2の習得は難しいと思っておいてください。
やる機会が少ないです。
レベル3について言うと、私は急性期病棟にいましたが、一度もやりませんでした。
つまりレベル3のスキル習得はほぼ不可能。
もちろん高齢者の入院も多くなっていますが、それでもやるのはレベル1、たまにレベル2です。
特に慢性期はレベル1すらやる機会が少ないので注意して下さい。
精神科でない看護師からの偏見はなくならない
代表例をあげます。
- 精神科は看護師の墓場
- 精神科看護師は使えない
- 精神科看護師は転職できない
- 精神科看護師はレベルが低い
- 精神科看護師は看護師だけど看護師じゃない
人間の脳みそから「マウント欲」をデブリしない限り、永遠と続くと思います。
私もヒカキンさんの動画再生数くらい言われてきました。
偏見の理由は「精神科看護師 = 身体ケアができない」というレッテルです。
レッテルなので、事実かどうかは関係ありません。
ここがあなたのキャリアの分かれ道です
ぜひ慎重に決めてください。
- 精神科に行くのをあきらめる
- 身体ケアを磨いてから精神科に行く
- 精神科看護のスペシャリストになる
どれも正解ですので、ご安心ください。
私は③を選んで13年経験しました。
もしあなたが精神科看護師になったら、私は全力であなたを応援しますね😆
それでは今回はこれで以上です。
最後まで読んでくれてありがとうございました。