「精神科看護の魅力ってなんだろう? 自分のイメージどおりかな…できたら経験者から話を聞いてみたい」
こんな疑問にお答えしますね。
本記事の内容
- 【今の職場がツラい看護師へ】精神科看護の魅了を3つを紹介します
- 精神科看護師として働く上でのよくある疑問3つ
└精神科の仕事内容は?
└精神科で働くデメリットは?
└自分が精神科に向いてるかわからない… - 精神科看護の将来性はある? ない?
本記事の信頼性
本記事を書いてる私は、精神科急性期病院で13年間看護師をしていました。
今回は、いま消化器内科のような一般科で働いている。けど辛いことがあって精神科に行こうか迷ってる・・・そんな20代の看護師に向けて、精神科看護の魅力をお話しします。
ではではさっそく本題へ!!
記事の透明性
本記事は精神科の魅力とともに、デメリットとリスクについてもお伝えします。
1. 【今の職場がツラい看護師へ】精神科看護の魅了を3つを紹介します
精神科看護の魅力は3つあります。
- 人間関係が良くなる
- 疲れがたまりにくい
- 精神的ストレスが少ない
魅力①:人間関係が良くなる
精神科では毎日のように患者さんと対話するので、自然とコミュニケーション能力がアップします。
一般科だと手技が磨かれて、精神科だと言葉が磨かれる感じです。
コミュニケーションスキルはプライベートでも役に立ちます。例えば恋愛や友人や家族との関係作り。コミュニケーションスキルが身について、プライベートも充実。それでいて給料をもらえるなんで最高ですよね。
魅力②:疲れがたまりにくい
精神科は身体ケアと残業が少ないのが特徴。ADLが自立している人が多く、急変も少ない。
例えば脳外科から1年目で転職してきた後輩は「1日の半分をバイタルと体位変換してたので、精神科はラクです」と言ってました。
ただし、「急性期」は残業ガンガンしますので気をつけましょう!!
残業が少ないのは「慢性期」です。
魅了③:精神的ストレスが少ない
患者さんが亡くなる機会が少ないからです。
身体疾患と精神疾患。どちらが死因として多いかは言うまでもありませんよね?
私の後輩は「ステルベンが少ない」という理由で消化器内科から精神科へ転職しました。
ただし精神科には自殺があります。ここは避けられませんが、精神科の方が死の場面が少ないことはたしかです。
ということで、人間関係を良くしたい。身体も心もラクになりたい。そう胸の内で思っているなら、精神科に魅力を感じられると思いますよ。
2. 精神科看護師として働く上でのよくある疑問3つ
ここから、よくある疑問にお答えしますね。
- 精神科の仕事内容は?
- 精神科で働くデメリットは?
- 自分が精神科に向いてるかわからない…
よくある疑問①:精神科の仕事内容は?
実は一般科とそれほど変わりません。なのでそこまで身構えなくて大丈夫ですよ。
精神科のルーティン業務
- バイタル測定
- 注射、点滴、採血
- ベッドメーキング
- カルテ記録
- 与薬
- 身体介助(食事、入浴、排泄)
- コミュニケーション
いっしょですよね?
違うのはこちらだと思います。
精神科ならでは仕事
- 隔離拘束
- 幻覚妄想の訴えを聞く
隔離拘束のイメージはこちら。
幻覚妄想の訴えとは「壁の中から知らない男の人がわたしに襲いかかってきて…」というような幻覚妄想のこと。
よくある疑問②:精神科で働くデメリットは?
この3つが大きいと思います。
- 身体ケアが学べない
- 暴力
- 自殺
①身体ケアが学べない
これは高度な身体管理を必要とする患者さんが入院しないからですね。
私は13年間急性期にいましたが、こちらの手技を一度もやりませんでした。IVH、シリンジポンプ、24時間持続心電図モニター管理、輸血、抗がん剤投与、人工呼吸器、ドレーン管理。
もし手技に不安があるときは、大変ですが今の職場で満足いくまで練習することをおすすめします。
それからでも遅くありませんよ。
②暴力
一部の精神症状を考えると、暴力は避けられません…
実際に私は3年目のとき、妄想に支配された患者さんに殴られて、1か月入院しました。
しかし暴力は主に「急性期の病棟」で起こります(私も急性期でした)。言い換えると、病状が安定してる人を対象とする「慢性期の病棟」では暴力のリスクは低いといえます。
③自殺
冒頭でも述べましたが、直面するとショックを受けます。
私の後輩は第一発見者になって、かなり引きずっていました。
しかし精神科では危機に直面したとき、そのスタッフを一人にせず、そのつらさを話し共有するようにします。私も暴力を受けたとき、そうしてもらい助けてもらいました。キレイゴトと思われるかもですが、これが処方箋です。
よくある疑問③:自分が精神科に向いてるかわからない
個人的な意見ですが、精神科が嫌いじゃなければ大丈夫ですよ。
あとは急性期と慢性期の向き不向きを間違えないようにしましょうね。
あなたはどっち向き?
慢性期向き | 急性期向き |
---|---|
刺激はあまり好きではない | 刺激が欲しい |
ゆっくり働きたい | 忙しい方がやりがいを感じる |
患者さんとゆっくり話がしたい | 精神科ならでは医療処置をしたい |
最後は将来性について解説します。
3. 精神科看護の将来性はある? ない?
精神科看護に未来はあると思ってます。
- 給料良し
- 働く場所に困らない
- 需要は増えている
① 給料良し
私の給料明細をごらんください(タップで拡大します)
精神科1年目
精神科10年目
精神科は安いという”ウワサ”ですが、どうでょうか?
②働く場所に困らない
精神科にはたくさんの職場がたくさんあります。
- 精神科急性期病棟
- 精神科慢性期病棟
- 認知症病棟
- 児童思春期精神科
- 精神科デイケア
- 精神科訪問看護
- 精神科クリニック
- 高齢者施設
病棟で働き続けるのもOK。夜勤がつらくて病棟から離れるのもOK。
働く場所が多く、自由にキャリアを選べるのが精神科ですね。
③需要が増えている
精神疾患がこの世から消えたら、精神科看護師は職を失います。
しかし、、、
精神疾患を有する総患者数の推移
喜ぶべきことではありませんが、うつ病などの精神疾患が私たちの目の前から消えるのには、まだまだ時間がかかりそうです。
大変ですが、精神科看護はこれからもやることがいっぱいです。
ということで、精神科は給料良し。働ける職場が多くキャリアを選べる。需要は増えているので精神科看護の未来はありますよ。
それではこれで精神科看護の魅力の解説はおしまいです。
もし精神科へ転職しようかなと思ったら、ぜひこちらをご覧ください
参考 / 引用
・厚生労働省 令和4年(2022)人口動態統計月報年計(概数)の概況
・厚生労働省 第13回 地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会