「精神科看護師の仕事内容ってどんな感じだろ?
経験者の感想を聞きたい。あと自分が向いてるかも知りたい」
こんにちは、オッシーです。
精神科急性期看護師を13年間経験しました。
さっそく疑問にお答えしますね。
本記事内容(所要時間0:03)
1. 【経験13年】精神科看護師の仕事内容を紹介
意外に思うかもですが、精神科の仕事内容は、8割は他の診療科と同じです。
- バイタル測定
- 注射、点滴、採血
- メッドメーキング
- カルテ記録
- 与薬
- 身体介助(食事、入浴、排泄)
さっそく一つ注意点。
認知症も精神科の治療対象。
特殊な病棟でない限り、精神科といえどもメインの仕事は身体ケアです。
「精神科は身体介助がないからラクかな?」と思っていたら、ご注意下さい。
精神科だけの仕事がこちら
隔離
入院者を保護するために実施します。
具体的には、内側から開けられない個室に入院者を誘導。
その後、医療者は病室から出て、外から鍵を掛けます。
部屋の中にドアノブはありません。

部屋に窓がある場合でも開けられません。
窓は特殊素材でベッドをぶつけても割れません。
一回だけ割られたことはありますが・・・
拘束
隔離と同じく入院者を保護するために実施します。
具体的にはベッドに横たわってもらい、
胴体手足を特殊な器具を使って拘束します。


実際に拘束した画像はこちらで確認できます。
セグフックス保護ベルト 取り扱い説明書
「納得できないけど仕方ない」と思ってもらえる言葉を作り出すのが
精神科看護師の仕事です。
幻覚と妄想を聞く
「父親が私の部屋に盗聴器を埋め込んでるんです・・・どうやって一緒に暮らせって言うんですか」(※※)
このような苦痛を聞き、適切な言葉を返し、疾患をもつ人の不安を和らげるのも仕事です。
2. 精神科看護の仕事を13年間やってみてどうだったか

13年間の経験ベースでお伝えします。
良かったこと
- コミュニケーション力が上がった
- 感情コントールのスキルが身についた
「精神科にいて、よくメンタル病まないね」と言われましたが、逆です。
病まなかったのは、精神科で感情コントールのスキルを学んだからwww
大変だったこと
- 合併症、高齢者の身体ケア
- 殴られ蹴られ1か月入院した
暴力はツキモノと言われますが、対応に失敗した私の経験で言うとそれは正しい・・・
13年間で感じたこと
- 精神科で培ったコミュニケーション・感情コントールの心理的スキルは一生の財産
- 身体ケアのスキルがあったら良かった(でもなかった・・・)
- 精神疾患をもつ人とのコミュニケーションはやっぱり楽しかった
ざっとまとめるとこんなカンジです。
3. まとめ:精神科看護師に向いてる人とは?

結論から言うと、コミュニケーションで精神的な回復ができると思えるかどうか。
なぜなら、言葉作りが精神科看護師の最大の魅力だからです。
例えば、自分が苦心して見つけ出した言葉で、入院している人の気持ちが和らいだら、それは立派な精神科医療です。
言葉探しという苦労に価値を見い出せるかが、向いてるどうかの別れ道。
「いやいや、キレイゴトでしょ」と思った方は正解です。
なぜなら冒頭で紹介した通り、
精神科の仕事の8割は身体ケアのような一般業務だからです。
会話できる時間は確保できません。
さらに、隔離拘束をされた人が、言葉一つで納得するかどうかは、
自分が逆の立場になったところを想像すれば、すぐわかります。
13年の経験を通じて伝えたいこと
- 会話してる時間はない。
- 治療のメインは薬。
- 言葉は徒労に終わる。
それでも、「言葉で何かできる」と何の根拠もなく信じられる人は向いています。
そんな人を私は応援します。
ではでは
オッシーでした
〜注釈〜
(※)隔離拘束は精神保健福祉法に基づき施行されます。
(※※)個人情報保護のため言葉を変えています。