「精神科の看護師って病むって本当?」
「興味があるけど、精神科ってネガティブ情報多すぎ・・・」
こんにちは
公認心理師のオッシーといいますペコリ😌
私は精神科急性期看護師を13年間経験。
100人以上の看護師と仕事してきました。
突然ですが、このGoogleサジェスト気になりませんか…

今回は、精神科の病む / 病まないの話です。
まず先に結論お伝えします。
- 心配いらない
- ネット情報で精神科看護師をあきらめのはもったいなさすぎる
この記事は、
ネガティブ情報にさらされた
あなたの不安を減らすために書きました。
本記事内容(所要時間3:30)
注意:「誰かが病む / 病まない」「ネガティブ発言」といった言葉は医療現場では使いません。
本記事では便宜上で、「病む」を「仕事が継続できなくなった精神状態」として用います。
1. 精神科の看護師って病むはホントか?

結論から言うと、
「精神科の看護師は病むから、やめたほうがいいかな…」
なんて悩む必要は100%ないです。
理由は2つあります
- 病む病まないは診療科目に関係ない
- 私たちにとって最も悪影響なのは、悲観的な訴えではない
一つずつ解説しますね。
病む病まないは診療科目に関係ない
こちらが根拠(いきなり理屈ですいません…)
看護師の離職理由(画像クリックで拡大)

ちょい見にくいですが、
自分の健康状態(精神的なもの)は第3位ですね。
ポイント
このデータは、看護師等が離職した理由で、
精神科看護師が、ではないこと。つまり・・・
診療科目に関係なく
看護師は精神の健康状態は悪くなることがある。
そんなの当たり前じゃんと思ったかもですが、
こんな見方されることがホント多い。
偏った見方

公平な見方

なぜか、精神科だけ病むって強調される。
ハッキリ言って間違い!!
精神状態が悪化するパーセンテージは、
精神科、一般科どちらが高いかは、データがないのでわかりません…
「そうは言っても、精神疾患の人と長くいると、
病むでしょ?」と思ったかもです。
本音を言うと、あります。
しかし、ネットの情報はこの点も間違ってます。
2. 看護師を病むまで追い詰めるホントの正体は?

「患者さんのネガティブな発言や態度にふれる機会が多いから精神科看護師は病む」
とよく言われます。
これってホントでしょうか?
悲観的な言葉が、私たちを最も病ませるのでしょうか?
精神科で見かける『訴え』を3タイプあげます。
比較してみます。
幻覚妄想 | 悲観的 | 攻撃的 |
---|---|---|
盗聴器が仕掛けられてる | 生きててもいいことがない | あなたじゃムリ。責任者呼んで、いるでしょ? |
この薬は毒です | 失敗ばかりで迷惑かけてすいません | あなたの誤薬で、何かあったら絶対訴えますから |
私は天皇の血を継承してます | もう疲れて果てました | あなたに注射されてから、腕が上がらなくなったんだけどどう責任取るの? |
もし私と同じで、「攻撃的な訴えが一番イヤだ」だと思われたら、
心を病むのは『精神科だけ』じゃないってことになります。
なぜなら、一般科でも『攻撃的な訴え』をする入院者や看護師がいるからです。
- あんた何年目だっけ?
- マジであなた仕事できないね
- 気づいてないようだから言うけど、あなた看護師向いてないからね
悲観的な訴えではない。
私たちが病むのは、悲観ではなく攻撃。
一般科より精神科の方が
『攻撃的な訴え』が多いという根拠はありません。
とは言っても、悲観的な訴えでも、
心が影響されてしまう方もいると思います。
3.【体験談】精神科看護師で病む人と病まない人の違い

私は13年間の精神科看護歴のなかで、
精神的不調で休職したスタッフと面談をしてきました。
逆に、精神的に強い看護師にもその秘訣を質問していました。
双方の言葉をご紹介します。
精神的不調にいたった看護師
20代 女性 | 寝てるときも受け持ちのことが頭から離れなくなって…もう無理です… |
20代 男性 | すいません。もう何もやる気が起きなくなってしまいました。休ませて下さい |
20代 女性 | 「あなたのせいですからね」と家族に言われて、積り積もったモノが崩れました |
精神的に強い看護師
30代 男性 | なんかあっても寝れば忘れるんすよね |
30代 男性 | 近づかれたら離れて、離れられたら近づきます |
40代 男性 | どうせ他人事だからねぇ… 患者がどうなっても、私の子どもには何の影響もないから(※) |
40代 男性 | 理不尽なクレームはチームプレーが一番(⇐すいません…これだけDrの言葉) |
まとめます。
精神の健康を保つために必要そうなこと
- 傷ついても回復する方法がある
- 自分と他者に明確な境界線を引く能力
- 自分と他人との心的距離を自在にコントールできる能力
- 相談する勇気
あくまで個人の体験なので、
すべての人には当てはまるとはいえません。
しかし、精神科の看護師になったら、病むのではなく、
対処できる能力を身につけられる。
例えば、②と③は精神科で習得できます。
この2つは一生の財産になりますよ!!
まとめ:偏ったネット情報で精神科看護師をあきらめてはいけない

ネット上の精神科看護に関する情報は、
ハッキリ言って偏っている。
『精神科看護師=病む』だけではありません。
例えば精神科看護師は
- 性格が悪い
- レベルが低い
- 使えない
偏った情報に騙されて
精神科看護師を諦めるのは、あまりにもったいない。
「精神科は病むからやめとこ」より、
精神科で専門的な精神ケアを学ぼうと思う方が、
これからの看護師人生にとってプラスなはず。
精神科看護師となって心病む人をケアする。
これこそが最も精神を病まない方法だと私は思っています。
今回はこれで以上です。
あなたの不安要素が減り、
少しでも迷いが減れば嬉しいです。
お読みいただきありがとうございました。
〜参考記事〜
〜参考〜
・看護職員の現状と推移 厚生労働省