事業口座残高0円または事業口座そのものを持っていない人
「見切り発射で開業してしまった。経費になる物をプライベード口座から買ったけど、仕訳のやり方がわからない・・・」
この悩みにお答えします。
先に結論を言うと「事業主借」(じぎょうぬしかり)というものを使えば解決します。
本記事の内容
- 事業主借とは何か
- 事業主借を使わない経費の仕訳
- 事業主借を使った経費の仕訳
私も最初の頃、事業口座を持ってなくて困っていました。
そこから簿記の本などを参考にして、スッキリできたので、情報を共有します。
参考にした書籍はこちらです。
ホントにゼロからの簿記3級 『ふくしままさゆきのホントに』シリーズ
それでは始めます。
事業主借とは何か
事業主借=「個人事業主のあなた」が「プライベートの自分」から借りたお金のこと。
お金の流れ:プライベート→事業
事業主借を使えば、プライベート口座のお金で支払った経費でも、キレイに処理できます。
シンプルですね。
2つ例を出します。
- 事業口座から経費を払う場合
- プライベート口座から経費を払う場合
※10月1日に仕事専用のスマホを5万円で買ったとします。
事業口座から支払ったとき(事業主借を使わない)
「事業口座」の現金でスマホを買った。
10/1(借)消耗品費 5万(貸)現金 5万
「事業」のクレジットカードでスマホを買った。
10/1(借)消耗品費 5万 (貸)未払金 5万
11/30(借)未払金 5万 (貸)普通預金 5万
これが普通の仕訳ですね。
問題なのは、事業口座がないときですね。
プライベート口座から支払ったとき(事業主借を使う)
結論:貸方を「事業主借」にします。
「プライベート口座」の現金でスマホを買った。
10/1(借)消耗品費 5万 (貸)事業主借 5万
「プライベード」のクレジットカードでスマホを買った。
10/1(借)消耗品費 5万 (貸)事業主借 5万
現金払いでもクレジットカードでも同じですね。
未払金の処理は不要です。
「事業主借」を使えば、事業口座がなくてもキレイに仕訳ができました。
ただ、事業口座が一生いらないわけではなく、売上が出たときに、売上金の受け皿となる「事業口座」は最終的に必要ですね。
最後にちょっとだけ深堀りします。
事業口座を手に入れて、プライベート口座から事業口座へ、お金を移した場合はどうすればいいでしょうか?
答えは同じです。
貸方を事業主借にする。
(借)普通預金 5万(貸)事業主借 5万
この5万円で、スマホを買ったら、もう事業主借は不要ですね。
(借)消耗品費 5万(貸)現金 5万
まとめ
- プライベート口座のお金で支払った経費は、「事業主借」を使う。
- 事業主借とは「個人事業主のあなた」が「プライベートの自分」から借りたお金のこと。
- お金の流れ:プライベート→事業
以上です。
なぜ事業主借は貸方なの?? 借方じゃないの??と気になった方はこちらの記事を。
▶なぜ事業主貸が借方で事業主借が貸方かを解説する【初心者向け】